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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。 不定期更新なのでご了承ください。 パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。 本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)


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近藤さんから借りた車を駐車場に止め、目当ての建物へとミツバと並んで歩く。
無邪気に楽しむミツバは、この旅行の真意を知っているのだろうか、ふとそんなことを思ったが、きっと知らないに違いない。
家に一人でいるだろう、総悟を思い青く澄んだ秋の空を見上げた。





事の発端は総悟だった。日光行きてェ、急にそう言い出したのだ。それにミツバも便乗して、行きたいと、二人で盛り上がるのを横目にどうしたものかと考えた。
二人が行きたいと言うのなら、連れていってやりたい。喜ぶ姿が見られるのなら、何だってしてやりたいと思う。だから。
日帰り旅行、という形でならそこまで予算の心配もないからいいのではということになった。いろは坂を通り日光東照宮へ行き、昼を食べ、華厳滝を見る。小学校の修学旅行でも行ったが、見に行ったことのあるところの方が日帰りならば楽だろうということで。
そう計画している内から、総悟も考えていたのだろうと思う。補習が入った、と言ったのは昨日の夕方だった。残念そうではあったけれど、直ぐに、最初からこうする気だったのだと合点した。あんなに楽しそうにしていたのに、そこまで拗ねていなかったし、それに。ちゃんと姉上をエスコートしなせェよ、と言った顔が照れ臭そうで。
気を使わせたらしい。
新婚旅行も未だだったから、総悟はどうにか俺達が二人で旅行に行けるようにしたのだ。

「人、多いわね」

「今日から三連休だしな。此方側なら人少ねぇから」

冊子を手に敷地内に入る。修学旅行でのガイドの説明を何とか思い出そうとしながら次々それを見ていく。有名なものでは厩の猿だ。八枚で一生を表しているものだそうで、一番有名な「見ざる言わざる聞かざる」は幼少期の教訓のようなものらしい。悪いものは見たり、言ったり聞いたりしないほうがいいだとかいうものだそうだが、実際には無理だろう。

「考えた人もすごいし、作った人も、そのまま残しておいていることもすごいわよね」

「それだけ権威があったってことだよな」

将軍家か、または家康公に。
ふと、隣に立つ彼女は、地で「見ざる言わざる聞かざる」をしていそうだと思った。悪いものを寄せつかせないような、そんな雰囲気が昔からはある。尻尾を巻いて、退散してしまいそうだ。
想像の象だとか、眠り猫だとか。動物が多いことに理由があるのか悩みながらも陽明門を見上げる。観光客が絶えず写真を撮っていて、便乗する形で見知らぬ人に写真を撮ってもらった。

「逆さまの柱って向こう側よね」

「確かそうだったな」

さっきから楽しげにカメラを構えているのは、留守番をしている総悟に濃密な土産話をするためだろう。こんなにも互いを想い合う姉弟なんて滅多にいないなと微笑みながら、近くから見ても遠くから見ても荘厳なそれを潜り、奥へと入っていく。
山の中だからか、空気が澄んでいて涼しい。上着を羽織っていれば、ミツバは慣れぬ手付きで門の写真を撮って満足げな表情を浮かべていた。

「奥まで行くか?」

「行ってみましょ!」

「修学旅行じゃ猫見てしまいだったからな」

はしゃいで俺の手を引いて階段を上っていく。ミツバの向こうに続く階段に終わりは見えなくて、若干うんざりする。終わりのない階段は中々辛いものだ。それでも、下りてくる幸福そうな老夫婦や、興奮した外国人、そして瞳をきらきらさせるミツバを見ていると此処は本当にすごいところなのではないかと思う。

「少し暑くなってきたな」

「こんなに登ったんだもの。・・・ほら、あと少しよ」

振り返ってみたら、霧がかっているように下の方が霞んでいる。こんな風に、気付いたらもううん十年傍にいた、みたいなことになっていたらなんて思うのは年寄り臭いだろうか。
辿り着いた、最深部の霊廟はより空気が冷たく感じた。ただ単に山の奥に来たからという理由かもしれないが。

「此処に眠っているのかしら?」

「多分な。・・・大勢に墓参りに来られるのってどうなんだ?」

「寂しくないのは確かだけど」

なんて言うミツバの手は確りと俺の手を握っている。それに指を絡ませて、強く握り返す。優しい温もりにふと、息を漏らしたらミツバが嬉しそうに目許を染めた。





玄関を開けたらばたばたと忙しない足音が近づいてきて、階段からびっくりした顔の総悟が覗いた。その背後には何度か見掛けたことのある地味な顔が覗いた。

「ただいま、そうちゃん」

「お帰りなせェ。早い帰りですねィ」

「ふふ」

華厳滝には寄らずに帰ってきた、と言えば総悟はどんな反応をするのだろうか、なんて。
怒るに決まっているから秘密のまま。





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祝☆一周年!

もっとずっと前からそうでしたがあえて言おう。
ミツバさん愛してますっ!!!!!!
好きすぎて作ったこのサイトという名のブログも二歳になりました。皆さんのお陰です。亀の歩み以下で本当に申し訳ありませんが、ミツバさんへの愛は不変です、よ!

今回は3ヶ月間書きたかった旅行ネタを書きました。せっかくだから。本当はもっと三人でいちゃいちゃしてるやつがいいかなとか思いましたが今回はこれにてごめん!


本当にありがとうございます!

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がちゃ、とドアの開く音がした。だからいつものように、そうちゃんと二人で玄関へ向かう。すると、いつもとはちょっと違った表情を浮かべた十四郎さんがただいまと、呟いた。
何かあったのかしら、思いながらお帰りなさいとそうちゃんと声を合わせる。なんだかんだ言っていてもそうちゃんはこうして自主的にお出迎えに来るから、とてもいい子だと思う。

「あのさ」

「はい?」

先に部屋へ戻ろうとしたそうちゃんを引き留めるように、それでいて私にも向けるように、十四郎さんは口を開いた。
そして、手にしているビニール袋を軽く掲げながら躊躇う口調で言う。

「花火もらってきたからやらないか」

「は、」

まぁ、と私が言ったのとそうちゃんの声が被さって、十四郎さんは少し困ったような顔をした。かさかさ音をたてるビニール袋の中には、よくコンビニなどで売っている花火のセットが入っていた。
楽しそう、そう思って食後にやりましょと提案したら、煮えきらない様子でそうちゃんは頷いた。





「本当バカでさ」

「何がだよ」

水て一杯のバケツを持ったそうちゃんが十四郎さんに吐き捨てた。けれどそれは嫌悪だとかを現しているのではなくて、どちらかというと照れ隠しのようなものであると分かっているから、私は聞き耳を立てて、花火の包装を解く。十四郎さんが火をつけようとしている蝋燭の隣にバケツを置いて、昨日、俺らが風呂入ってるとき盗み聞きしたでしょう、とそうちゃんは詰る。
そう言えば、昨日はお風呂で今年は花火しなかったという話をした。偶々だろうけれど、気を煩わせてしまったかしら。

「・・・聞いてねぇよ。偶然もらったんだっての」

「ふーん。ま、いいや。姉上やりましょう!」

「そうね」

お風呂にも入り甚平に身を包んだそうちゃんが楽しそうに笑う。それにつられて十四郎さんも笑って、胸が温かいもので満ちる。
そうちゃんと二人、ビニール袋の中に今日の日付のレシートが入っていたのには知らないふりを決め込んで、まずは太目のものに火をつける。
火薬の燃える音に、青い光。拡散するそれは力強いけれど、儚く終わってしまう。花火は総じてそういうもの。

「綺麗でさ」

「本当に、綺麗ね」

「だな」

三人でやるとあっという間で、残るは線香花火だけになってしまった。短くなった蝋燭に先を近づけて、慎ましやかに咲いた火の花に見惚れる。
去年は近藤さん達と一緒に、校庭で小さな打ち上げ花火で楽しんだ。そうちゃんと二人だけでも、このように花火を買ってやった。あの時も楽しかったけれど。
今の方がそうちゃんの表情が柔らかいのは、十四郎さんもいるからなのだと思う。

「あーあ。終わっちまったな」

「そういう情緒ないことよく言えやすね。九月なのに花火なんか買っちゃって」

「だぁから貰ってきたんだっての!」

「まぁまぁ。また、来年もやりましょ?」

「来年は鼠花火見てみたいでさ!」

「私、見たことないわ」

「・・・いや、あれそんなに楽しくないけど」

窓を開けて部屋に入りながら来年の約束をする。
他愛もないことだけれど、きっととても幸せなこと。










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お久しぶりです!
受験生なめてました。八月中にあげるはずが(・・;)

ミツバさん目線は相変わらず大変です。難しい。近藤さんも。きっと書き慣れてないからかなと思っています。

とにかく私が書くと土方に対する想いと沖田に対する想いが同じになるからよくない。土方とミツバさんがくっつきませんよww
新婚さんなのに!!



柚子胡椒さん、拍手ありがとうございます!
のろのろとですが書き続けていきたいと思います(*^^*)

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美味しいわ、と姉上が微笑んだ。ぱくり、と俺も口に含んで、本当に美味しかったので同じように感嘆の声を漏らす。
残暑というか猛暑の日曜の昼下がり。今日は、姉上と二人きりでデートをしている。
土方さんは近藤さんと出かけてしまって、それに俺と姉上は行きたがったのだけれど大人の男の付き合いだと言われてしまえば片方が当てはまらない俺と姉上は行けなくて。どうせ、近藤さんが百一回以上のプロポーズをしにいくだけだろうから、食い下がることなく二人でデートすることにした。
前に土方さんがお土産にと買ってきてくれたケーキの店で二人向き合って座る。店内がパステルカラーでメルヘンチックに修飾されているので若干の気恥ずかしさは感じるものの、姉上と一緒だし美味いものが食えるしと気にしないことにした。

「そうちゃんの、一口ちょうだい?」

「じゃあ姉上のも一口ください」

「えぇ、こうかんこしましょ」

あーん、とフォークに一口大の七味のかかっていない部分のチーズケーキが乗せられる。それを食べてから同じように、無花果のケーキをフォークに乗せて姉上の口元まで運ぶ。
コメントとか求められたら困るけど兎に角美味いなと、自然と口角があがる。

「あーおいし・・・」

「本当、しあわせ」

アイスティーで喉を潤わせて、窓の外、せかせかと行き来する人達を見る。来るときとても暑かった。帰るときは少し涼しくなっているといいけれど。
姉上も同じように外を見ていて、その顔つきはひどく優しい。昔から変わらない表情に此方の気持ちも穏やかになるけれど、姉上はどんなときだって自分を二の次にして微笑んでいるから、時々心配になる。
頼られたい、俺だって男なんだから。

「・・・姉上は、今幸せですか?」

「え?」

きょとん、と姉上は首を傾げる。
脈絡もないし当然だよなと思いながら、幸せですか、と重ねてきく。俺は、姉上の傍にいられればとても幸せだけれど。土方さんと結婚した今、姉上にとって少し邪魔かもしれないといつも思ってしまう。大事に思われているのは知っているけれど。

「幸せよ、とっても」

「何か、不満とかないんですか?」

「・・・そうね。働くのを二人が反対することかしら」

ふふっ、と笑い、そうちゃんは幸せ? と姉上は問うてくる。その切り返しは予想していなくて、ううん、と唸る。
小さな頃から、姉上と二人きりでいるのが好きだった。勿論、近藤さんたちと遊ぶのも楽しかったけれど、姉上と二人で家に居るときが一番落ち着いた。
でも今は二人っきりなのは稀で、寧ろ土方さんと二人っきりでいることの方が多いかもしれない。昔から大嫌いだと公言してきた相手が、一つ屋根の下に共にいる。それで、姉上は幸せそうにしている。
姉上が幸せならば、俺も幸せ。

「幸せ、です」

「なら良かったわ」

それに。何だかんだ言って、土方さんは俺らのことを考えてくれていて、そんな土方さんは、嫌いじゃない。
俺たちの為に汗水垂らして働いてくれているわけだし。

「十四郎さんにお土産買っていきましょうか」

「じゃあマヨネーズも買ってかなきゃですね」

「そうね」

二人で結構悩んだ土産をマヨネーズに埋もれさせて、美味い美味いと土方さんが食べるのは夜になってからだった。





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お久しぶりでございます!
一月も放置プレイしてしまい申し訳なかったです。冷や汗のかきすぎで溶けそうな程です。
一月も前に、janet様が2300打を踏んでくださっていました。
本当にありがとうございます!
遅くなってしまいましたが、幸せな沖田とミツバさんな感じのリクエスト、承らせていただきました。
デート!デート!←
極度のシスコンブラコンじゃねぇかという突っ込みはなしでお願いします。沖田とミツバさんは相思相愛ですから←
きっとミツバさんも、二人でいることが限りなく落ち着く時だと思います。土方は、異性なわけですから。まだ新婚さんだからね。若干気を使う部分があると思います。

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日頃の仕返しにばーかと言うと、じとっとした目で睨まれた。でもいつもの暴力での制裁も反論も何もなくて、ぶらぶらと足を揺らしてもどかしさを余所へやる。
姉上はどこか幸せそうだった。新しいお粥のレシピを調べてバリエーションを増やすのだそうで、林檎と包丁を俺に渡して家にある料理本全てを引っ張り出していた。風邪が移るといけないから、と俺らが風邪になっても看病をさせてもらえない姉上はお粥を極めることにしたようだ。
代われるものなら代わりたい。好きでもない野郎の為に林檎を向いてやるなんて詰まらないを通り越して仏道修行の勢いだ。悟りが開けてしまう。

「ほら、食いなせェ」

「・・・ん」

この俺が向いてやったうさみみ林檎を物珍しげに見てから、土方さんは大きな口を開けた。姉上が喜ぶから作っていたうささん林檎を、わざわざこの男の為に作ってやるのは馬鹿馬鹿しいが、つい癖で手が動いた。
うめぇ、と鼻声で言った土方さんは、昨日から夏風邪にかかっている。症状は一週間前からあったが熱まで出すとは。夏風邪は馬鹿が引くんですぜ、言ってやったら苦虫を噛み潰したような顔をした。そんな面をするぐらいなら、かからなければいい。
姉上が心配する。

「あーあ。アンタの所為で勉強ができやしない。受験生なのになァ」

「・・・悪かったな」

だからと言って、じゃあ勉強してこいよとは言わないらしい。俺も多分、同じ立場だったらそのように返す。寝込んでいるときは寂しいから。
この人も甘えることがあるのかとぼんやり思いながら、うささんの背にフォークを刺す。姉上になら甘えることはあるのだろうけれど。
俺にこうして甘えてきたのは初めてなんじゃないか。
だって土方さんと俺の、仲だ。

「もう一口いりやすか」

「いる」

雛に餌をやるように、林檎を食わせてやる。優越感を少し味わって、じくじく甘い感情が胸を苛んだ。
扇風機の温い風が、悪戯に肌を撫でる。

「総悟」

「はい?」

「・・・暑いなら、除湿つけてもいいぞ」

リビングではきっと除湿がついている。あの快適な空間を思い浮かべていたら、それを読んだかのように土方さんがそう言った。
微熱だから大丈夫、そう言った土方さんに俺と姉上は折角なんだから休めと言った。夏風邪は長引くから、寝て早く治せと。
甘えてるのは俺も同じかもしれない。
大っ嫌いな土方さん。
動けない、可哀想な土方さん。
俺に、甘えればいい。

「いいでさァ。でも」

「でも?」

「単語帳持ってきていいですかィ」

「・・・いいぜ」

ふっと笑って土方さんは、持ってきたらまた林檎を食わせろと呟いた。





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大変長らくお待たせしていてすみませんでした(>_<)

試験が終わってやること片付けていたら夏風邪になりました←
一昨日まで寝込んでしまっていました。馬鹿だな・・・。

というわけで土方さんを馬鹿にしてやりました。
沖田の寝込むのはあったけれど土方はなかったから。脳内では沖田と土方が逆でした。姉上はドアで聞き耳立てていたら可愛いです。
仲良くなって!

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夕食を食べるときまで、いつも通りだったのだけど。
そうちゃんご飯よ、と呼ばれてリビングへ向かってみたら、今日の夕飯は冷しゃぶだった。こんなの、普段家で食べたことがないばかりか、心なしか肉も高級そうに見える。
いやでも、まさか。

「今日はお肉、少し奮発しちゃった」

「まぁでも、たまには平気だろ」

「そうよね。ほら、そうちゃん早く」

姉上はにこにこ穏やかに笑っているし、土方さんも微笑を浮かべている。そんな事実をむず痒く思いながらも席について、食べ始めた。

柔らかくて美味しい肉にご飯をおかわりしながらも食べ終えて、ふぅと息をついているとじゃーん! と姉上が皿を持ってきた。ケーキが乗った、皿を。
小さい頃からうちは裕福じゃなかったので、姉上の迷惑にならないように俺の誕生日は祝わないでいいと言っていた。それでも毎年、ささやかなプレゼントとショートケーキでお祝いしてくれていたのだけれど今年は、ホールケーキだ。何度も瞬きを繰り返し、それが本物かじっと見てしまう。

「私と十四郎さんで作ったの。マヨネーズは阻止したから、安心してね」

「トッピング用に一本あるから、安心しろ」

「・・・ありがとうございやす。マヨネーズは、いらないけど」

うまいのに、言いながら土方さんは自分の前にマヨネーズを置いて、それから蝋燭に火をつける。
あれ? 蝋燭?
大きいのが一本に、小さいのが八本の計九本が十八歳を表現しているのもこれから俺がするべき行動も分かって、どうしようと困惑する。
蝋燭を消したことがないわけではない。近藤さん家でお祝いしてくれたときに消したことがあるから。・・・ただ、照れ臭いだけ。

「ハッピーバースデー、そうちゃん」

「・・・おめでとう」

二人がそう言ってくれて部屋を暗くして、俺はお礼を言ってから息を深く吸い込んで、蝋燭を消した。
一息に全て消すともう一度、おめでとうと言ってくれる。
電気を付けてから姉上が切り分けてくれて、俺仕様に甘いケーキを食べたら自然と笑みを浮かべてしまう。土方さんには苦手な甘さかもしれないけれど、最近甘さ控えめが流行って肩身苦しい俺にはとても美味しい。

「はい、プレゼント」

「ありがとうございます!」

「俺からも、やるよ」

「本当ですかィ! ありがとうこざいまさァ!」

姉上からの包みを開けるとブーツが入っていた。黒に編み上げ、ワンポイントでチェックの模様が入ったもので、サイズもぴったりだし欲しかったタイプだ。流石姉上。
土方さんからは洋服をもらった。白いお洒落なシャツに黒いタンクトップ、それとダメージ加工のしてあるブラックジーンズ。姉上のくれたブーツに合いそうで、これまた喜んでいると土方さんに頭を撫でられた。

「おまえ本当可愛いわ」

「だってそうちゃんだもの」

反論したいけど二人が幸せそうに笑っているものだから。何も言い返せずに頬を膨らませてみる。
俺はいま、とても幸せ。





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ハッピーバースデー沖田!
というわけで試験期間中ですが頑張って、みました。ちょっとスランプなのは気にしないで心の目で見てくださるとありがたいです。
本当におめでとう!

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