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苑咲 早良
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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。
不定期更新なのでご了承ください。
パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。
本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)
日頃の仕返しにばーかと言うと、じとっとした目で睨まれた。でもいつもの暴力での制裁も反論も何もなくて、ぶらぶらと足を揺らしてもどかしさを余所へやる。
姉上はどこか幸せそうだった。新しいお粥のレシピを調べてバリエーションを増やすのだそうで、林檎と包丁を俺に渡して家にある料理本全てを引っ張り出していた。風邪が移るといけないから、と俺らが風邪になっても看病をさせてもらえない姉上はお粥を極めることにしたようだ。
代われるものなら代わりたい。好きでもない野郎の為に林檎を向いてやるなんて詰まらないを通り越して仏道修行の勢いだ。悟りが開けてしまう。
「ほら、食いなせェ」
「・・・ん」
この俺が向いてやったうさみみ林檎を物珍しげに見てから、土方さんは大きな口を開けた。姉上が喜ぶから作っていたうささん林檎を、わざわざこの男の為に作ってやるのは馬鹿馬鹿しいが、つい癖で手が動いた。
うめぇ、と鼻声で言った土方さんは、昨日から夏風邪にかかっている。症状は一週間前からあったが熱まで出すとは。夏風邪は馬鹿が引くんですぜ、言ってやったら苦虫を噛み潰したような顔をした。そんな面をするぐらいなら、かからなければいい。
姉上が心配する。
「あーあ。アンタの所為で勉強ができやしない。受験生なのになァ」
「・・・悪かったな」
だからと言って、じゃあ勉強してこいよとは言わないらしい。俺も多分、同じ立場だったらそのように返す。寝込んでいるときは寂しいから。
この人も甘えることがあるのかとぼんやり思いながら、うささんの背にフォークを刺す。姉上になら甘えることはあるのだろうけれど。
俺にこうして甘えてきたのは初めてなんじゃないか。
だって土方さんと俺の、仲だ。
「もう一口いりやすか」
「いる」
雛に餌をやるように、林檎を食わせてやる。優越感を少し味わって、じくじく甘い感情が胸を苛んだ。
扇風機の温い風が、悪戯に肌を撫でる。
「総悟」
「はい?」
「・・・暑いなら、除湿つけてもいいぞ」
リビングではきっと除湿がついている。あの快適な空間を思い浮かべていたら、それを読んだかのように土方さんがそう言った。
微熱だから大丈夫、そう言った土方さんに俺と姉上は折角なんだから休めと言った。夏風邪は長引くから、寝て早く治せと。
甘えてるのは俺も同じかもしれない。
大っ嫌いな土方さん。
動けない、可哀想な土方さん。
俺に、甘えればいい。
「いいでさァ。でも」
「でも?」
「単語帳持ってきていいですかィ」
「・・・いいぜ」
ふっと笑って土方さんは、持ってきたらまた林檎を食わせろと呟いた。
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大変長らくお待たせしていてすみませんでした(>_<)
試験が終わってやること片付けていたら夏風邪になりました←
一昨日まで寝込んでしまっていました。馬鹿だな・・・。
というわけで土方さんを馬鹿にしてやりました。
沖田の寝込むのはあったけれど土方はなかったから。脳内では沖田と土方が逆でした。姉上はドアで聞き耳立てていたら可愛いです。
仲良くなって!
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