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苑咲 早良
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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。 不定期更新なのでご了承ください。 パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。 本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)


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 言葉にしたなら、きゃっきゃうふふなのだろうか。
 なんて、思いながらデジャブな疎外感に苛まれながら向かいの二人を見遣る。
 テーブルを挟んだ向かい、仲の良い姉弟が一つの機械を覗き込んでいる。それほど広くはない密室、俺たちが引きこもれるのは三時間。

「・・・早く決めろよ」

「へーい。んじゃあ姉上、これ入れまさァ」

「じゃあ、次にこれ入れておくわ」

 ピッピッ、操作音に続き、興味のわかない曲を流し続けていたテレビの雰囲気が変わる。曲名が出て、それから曲が始まる。
 カラオケに、この三人で来るのは初めてだ。ミツバが歌うのは音楽の授業だったり、料理のときに口ずさむのであったり、そういうのしか聞いたことがない。総悟の場合も似たようなもので。カラオケ、のイメージがあまりない。俺自身も、あまりカラオケに来たことはないのだが。

「じゃあ次、土方さんいれなせェ」

 言い終わると同時に始まったデュエットに耳をすましながら機械を操作して何を歌うか考える。
 案外、なんて失礼かもしれないが、総悟もミツバも歌がうまい。声が綺麗なのは知っていたしいつもそうなのだが、それが歌になると。
 なんて、べた褒めしてしまうのは色眼鏡的なもののせいかもしれないが。

「次十四郎さんよ」

「あいよ」

「土方さん、音痴ですよね」

「あんだと」

 口論が始まるよりも早く曲が始まり、軽く緊張しながらも歌い始める。一曲目から声が出るやつの気が知れない。というか声帯を交換してほしくなる。
 一番が終わった間奏の間、総悟がニヤニヤしながら此方を見た。どうせまた、喧嘩を売ってくる気なんだろう。

「本当に下手でさァ」

「・・・仕方ねーだろ」

「ふーん」

 歌い始めてからも総悟が此方を見ていて。なんだ、と思うと同時に二人でこそこそやり始めた。
 なんだ、これ俺が邪魔者みたいじゃないか、気のせいか。・・・気のせいってことにしておきたい。
 なんとか歌い終えると、十四郎さん、と弾んだ声で呼ばれた。

「ん?」

「一緒に歌いましょ!」

 笑顔でそんな風に言われて。何度目か分からない恋に、落ちた気がした。





 既視感に苛まれる、けれど仲良く機械をいじっている二人の、顔が見えず似たような後ろ頭しか見えない点は先程とは違う。
 今度はプリクラだそうだ。機械の指示に従い、ボタンを押していく。やり方の分からない俺は後ろで待つことにして、ノリノリな二人に任せておく。俺も撮るのもどうだろうと思ったのだけれど、総悟がカラオケ後の紅潮した顔で三人で撮りやしょう、なんて言うものだから。
 撮るしか道がなく思えるのは俺が弱いからだ、この姉弟に。

「じゃあ撮りやすよ」

「十四郎さんが真ん中ね」

「え、」

 あっという間に二人が両サイドに来て、両肩にサラサラとした髪が触れ、甘く優しい香りが漂う。
 画面には控えめにピースをするミツバと、珍しく笑顔を浮かべる総悟に挟まれた仏頂面の俺が映っている。

『今から撮るよー! 3・・・』

 笑って、と機械がカウントダウンを始めるのと同時に両サイドから言われ、ふっと、肩の力を抜いた。
 カシャ、シャッター音に続いて、『今度はアップで撮ってみよう!』と声が流れる。きゃっきゃと前に出る二人に引っ張られて同じように前に出る。
 後頭部に何か触れた、と思うと同時にシャッター音が鳴り響き、がめんには今撮ったものが写し出された。俺の頭から、指が一本伸びている。よく学生の写真で見るあれだ、と思ってから自分も一応学生であることに思い至った。

「総悟お前・・・っ!」

「次から二人ずつ撮りやしょうよ。まずは土方さんと姉上で」

「え」

 発した音は見事にハモって、カメラの死角に座り込んだ総悟はにんまりと笑った。





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お久しぶりです!
計らずも一ヶ月ぶりになってしまいました・・・!書き始めたのは三月下旬だったのですが・・・。
本当に亀の歩みで申し訳ないです。

プリクラって、殆ど若い内にしかできない、独特な思い出作りですよね。小さな写真を思い思いにデコって。最近の目をはっきりさせるヤツにびっくりしてますw昔のは真四角な機械の前に立ってフレームを選ぶだけだったのに、今はもう個室のようになっていて可愛く撮れ、落書きもできるし携帯に送れるしおまけももらえるし。時代ってすごい。

あと、アニメパラパラ館の沖田姉弟が言葉にならない可愛さで額縁に入れて飾りたくなりました。

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