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苑咲 早良
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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。 不定期更新なのでご了承ください。 パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。 本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)


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 ちょっと寄り道してから帰ります、と連絡を入れた総悟がいつもより三十分遅く、ケーキの箱を持って帰ってきた。そのケーキ屋は、俺も何度か土産を買うのに利用したことがある。
 いつものように二人で出迎えて、ミツバが俺の隣で首を傾げている。

「ただいまでさァ」

「おかえりなさい」

「・・・おかえり」

「その箱は、なぁに?」

 指を差しながらミツバは首を傾げる。その角度が妙に可愛いと、思っているのは俺だけではなく総悟も同じらしい。口角が上がって優しい表情になる。俺に向けられたことがあまりないような、表情に。
 それが恥ずかしげなものに変わる。こうして第三者として見ていると、総悟の表情はミツバと同じようにとても穏やかなものが多いのだが。俺が話し相手となると急に、表情が乏しくなるかこう穏やかなものではなくなる。それでも懐かれているとミツバは言うが。どこが懐かれているのか真面目に聞きたい。

「ケーキでさァ」

「ケーキ?」

 話しづらそうに口を開いた総悟がチラリ、俺を見た。玄関先で話すのもどうかと、一足先にリビングへ戻ろうとすればミツバも、靴を脱いだ総悟もついてくる。
 荷物を置いて、テーブルの中央にちょこんとケーキの箱を置いて。二人はくっついて座り俺だけが、向かいのソファーに腰かける。

「・・・今日は、母の日でしょう?」

「ああ、そうね」

「うちには母はいねぇから。代わりに姉上にって思ったんでさァ」

「まぁ!」

 ミツバの表情がばぁっと華やぐ。見ているだけでふと笑顔になってしまうのは彼女の魅力だ。いとおしい。
 ありがとう、とミツバは総悟の指を握り笑う。総悟もコクリと頷く。微笑ましい情景、だけど少し気になることが。

「ケーキ代はどうしたんだ?」

「・・・土方のくせになんでそういうとこに口を挟むんですかィ」

「あんだとコラ。・・・どうしたんだよ」

 案の定膨れたような表情に変えて、総悟はそっぽ向いてハァと溜め息をつく。
 今月はミツバの誕生日があるから金が使えない、そんなこと言っていたのは一昨日のことだった気がする。ここのケーキは高くはないが安くもない。箱のサイズから見てもそれなりにしただろうと思うのだが。

「・・・銀八先生にバイト頼まれたんで、その金で」

「バイト?」

「なんのバイトなの?」

「国語資料室の大掃除でさァ」

「あっ」

 ふふっとミツバが笑い、俺も気に食わないあの昔の担任の巣を思い出す。資料やジャンプの散乱した、坂田の巣。そりゃバイトでも雇わねばやっていけねぇなと思いだし笑いを一つ。
 あの野郎は嫌いだ。嫌いだが、気持ちを大切にする教師だとは思う。生徒の守りたいものは守る、そんな教師。だから、片付ける意味も必要もない部屋のバイトを総悟にやらせたのだろう。どうせ明日には元通りなのに。
 立ち上がりくしゃり、総悟の頭を撫でてやる。顔は見えないが嫌がらなかったのが愛らしい。

「紅茶、いれてやるよ」

「ありがとう、そうちゃん、十四郎さん」

「俺こそ、ありがとうございまさァ、姉上」

「・・・俺こそ」

 どれだけ助けられているか。ミツバは知っているのだろうか。
 今までありがとう、今日からは。俺が役に立ちたい。そう、俺だけではなく総悟も思っている。
















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お久しぶりです!
母の日ってことで姉の日にしてみました。ちょっと時間過ぎましたが;;

ミツバさん愛してるみんなで愛でよう!

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