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苑咲 早良
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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。
不定期更新なのでご了承ください。
パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。
本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)
「見て! 綺麗に咲いてるわ」
「あ、梅の花だな」
俺の家の庭に咲いた梅の花、それを指差してミツバは顔を綻ばせた。今まで気付かなかったのはそれほど余裕がなかったからなのか、ともかく、ミツバの笑顔が綺麗だからそんなことはどうでもいい。
入試まであと少しだ。センター試験は中々いい感じだと思うし、あとは二次試験に望むだけ。人生がかかっていると言っても過言ではないから、無意識の内に緊張していたようだ。
だけど、焦ってはいないのは回りにミツバや近藤さんや総悟がいるからだろう。マイペースにやっていけていると思う。
「十四郎さんの好きな花よね」
「ああ。家のは他のより特に綺麗だしな」
「本当に」
ふふっ、と笑いながらミツバは参考書のページを捲った。
ミツバだって頑張っているのは知っている。だけれど、傍にいると緊張感などは感じず癒されるのだ。俺も同じようであればいいのだけれど。
窓を僅かに開けているから、梅の香りが微かにする。
この静けさが心地好い。
多分これが、幸せなのだろうと思う。家族といるときとは違う種類の安らぎを与えてくれる。
「そろそろ、そうちゃん達が来る頃ね」
「だな。騒がしくなんなァ」
「そんなこと言っちゃって。嫌じゃないくせに」
その通りだから言葉に詰まる。総悟も今年高校入試で、スポーツ推薦なのに試験があるらしく、就職組の近藤さんに勉強を教わっている。俺もミツバも教えてやりたいのは山々なのだが、何せ自分のことでいっぱいで。
大学に入学したら、通う傍らで仕事をしようと思う。ミツバと総悟の傍にずっと、いられるように。結ばれたなら、俺が支えていかなければならないのだし。
ガチャ、と玄関の扉が開く音が遠くから響いてきて、二つの足音が真っ直ぐこの部屋へ向かってきた。
「よっ! 差し入れ買ってきたぜ!」
「姉上、ただいまでさァ!」
「お帰りなさい、そうちゃん」
「・・・俺んちだけど」
「土方五月蝿い死ね」
俺の横に近藤さん、その横に総悟が腰掛け、手にしていた袋から椀に入ったお汁粉とみたらし団子を取り出した。総悟は別の手提げからノートなどの文房具を出している。
近藤さん家のおばさんの手作りらしい。だからって椀にラップを巻いて持ってくる二人は優しいがどこかずれている。
「よし、皆で勉強頑張るぞー!」
「おー!」
頂きますの代わりに近藤さんが吠えて、それに皆して声を上げた。
なんだかこの四人でいると、できないことは何も無いような気がしてくるから不思議だ。
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絶賛スランプです!
1200打、ありがとうございました!
羽流花様リクエストの「土ミツ+総+近の学生パロ」でした。
土ミツ要素が薄くて申し訳ないです。
別のネタで書き直したいなぁと思っています。
本当にありがとうございました(≧∇≦)
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味付けはこれでいいかな、うまくいくかな、とさっきから必死になっている総ちゃんは、きっと誰が見ても恋をしている女の子のよう。
同じことを隣にいる山崎さんも思っているのか、山崎さんも穏やかな笑みを浮かべて総ちゃんを見ている。
山崎が遊びに来ても平気ですか?
と総ちゃんが言ったのは朝食の片付けをしていた時だった。十四郎さんはもう仕事に出た後で、二人で洗い物をしていたら遠慮がちに訊ねてきた。私が、勿論! と頷くと、総ちゃんはホッと笑みを浮かべて、友チョコ作るんです、と素敵なことを教えてくれた。
言い出したのは山崎さんで、自分は作る気がなかったのに巻き込まれ、不承不承、いつもお世話になっているからできたら家で作ることにしたそうで。
私も一緒に作っていい? と聞くととても嬉しそうに総ちゃんは首肯した。
「・・・姉上、これでいいと思いますか?」
ペロリと指で生地を掬い、それを舐めながら総ちゃんは問う。首を傾げて真剣に悩んでいる様子を十四郎さんに見せてあげたい。だってこれは、十四郎さん用のチョコレートケーキの生地だから。
私や総ちゃん、そして山崎さんは甘めのものの方が好きだからと纏めてクッキーにして、甘いものが苦手なあの人には甘さ控えめのケーキにして。
総ちゃんに自覚はないけれど、十四郎さんのことを確りと大事に思っている。だから、もっと素直になればいいのに・・・。
「とってもおいしい! 大丈夫よ、十四郎さんはきっと喜ぶわ」
「別に、喜んで欲しいわけじゃ・・・」
「もー。沖田さん素直になっちゃえばいいのに」
「うっさい山崎!」
「いたっ! 叩かなくてもいいじゃないですか・・・」
わいわいやってる二人を見ていると、山崎さんが羨ましくなった。私がもしも男の子だったら、総ちゃんは敬語なんか使わないで、じゃれあったりできたのかもしれない。だからそういう意味では、女である自分が少し恨めしい。大事にされているのは分かっているけれど。
ケーキも焼き上がり、飾り付けもあとはブルーベリーを散らすだけ。総ちゃんは一つ一つ、どこに置こうか悩みながら飾り付けていく。
私のショコラも山崎さんのチョコレートムースも出来上がっているから総ちゃんが悶々としているのを心の中で応援しながらただ見つめている。
「できたー!」
「おめでと!」
「あーうまそ・・・」
完成品を取り囲んでいると、タイミングよく玄関の方から音がした。続いてただいまと、耳に届いた声に総ちゃんの肩が跳ねる。
どうしよう、と困ったような視線を向けられて、頑張って、と背中を押した。
「・・・でも」
「ついでに作ったってことにすればいいでしょ?」
「そうですよ! 沖田さん、ファイト!」
渋々と頷いて、総ちゃんはお皿を手に台所を出た。顔を見合わせて微笑みながら、渡す様子を山崎さんと盗み見る。
「・・・土方さん」
「ん? ただいま総悟」
靴を脱いでいる十四郎さんは未だケーキに気付いていない。
おかえりなせェ、とおざなりに返しながら言葉を探しているようだ。正面から見たかったわ、本音は山崎さんに同意された。
「これ、やりまさァ」
「へ? ・・・ってケーキか? どうしたのおまえ、コレ」
お皿と総ちゃんを交互にマジマジと眺め、十四郎さんはポカンと珍しく気の抜けた顔をしている。総ちゃんは何も言わないままだし、そんな二人が初々しくて可愛くて堪らない。
「ついでに作ったんでさ。意味も毒もねぇから、黙って食いなせェ」
「・・・マジでか」
呟いて、十四郎さんは嬉しそうに口を緩めた。
総ちゃんも十四郎さんも普段は素直ではないから、いつも私はやきもきしているのだけれど、今日は二人とも少しだけ素直になっていて。
見ているだけで胸が満たされた。
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お久しぶりです。
本当に更新遅くて申し訳ないです(((・・;)
遅くなりましたが、1100打ありがとうございます!
あと、拍手をおしてくださった方もありがとうございます(*^^*)
今回は珍しく、ミツバさん目線で土+沖を。くっつきそうでくっついていないこの微妙な距離に三人でやきもきしているといいなと思います。
山崎も何気にやきもきしてたり。
「そーちゃん」
「あっ、姉上、寄らないでください!」
呼び掛けたらそうちゃんが困ったような顔をして後ずさったものだから、とても驚いた。だって、こんな反応をされたのは初めてだから。
私、何か悪いことしたかしら?
考えてみるけれど思い浮かばなかった。
「俺、さっきギョーザ食べたばっかりですから・・・」
弱々しく目線を外して言うそうちゃんがあまりにも可愛くて、つい笑ってしまった。そんなこと、全然気にしないのに。
そんな彼だからこそ、私は大好きなのだけれど。
「そうちゃんは、納豆を食べたばっかりの私に近付きたくない?」
「そんなことないですっ!」
「なら、私も同じ。大好きよ、そうちゃん」
頬を包んで言えば、はにかんで見せるから、もっともっと好きになってしまう。ブラコンなんて言われてもしかたがないと、自負はしている。
僕もです、小さく返された告白ににっこり笑んで、ぎゅうっとそうちゃんの体を抱き締めた。
大好き。
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1000打ありがとうございます! あと、拍手もありがとうございます^^
気付けばもうこんなに・・・作品少なくてすみません。なんかこればっかり言ってる気がしますが、うん。
ミツバさん愛しています!
今年も彼女達が幸せであるように!
・・・この光景を土方氏は微笑ましく眺めていればいいなぁ。
うー。と唸りながらマフラーを口許まで引き上げた。外はやっぱりとても寒い。今年は雪が降らなかっただけマシなんだったら例年はどれだけ寒いのだろうか。想像さえしたくない。
校門の外へ出ると似たような格好の人がたくさんいて、彼らを戦友と呼べるのか好敵手と呼ぶべきか、ともあれ基本は今日限りの関係だから差して気にも止めず前を見た。すると。
「あ、」
「お。総悟」
道路脇に停まっている車に寄りかかる土方さん。車は見慣れた近藤さん家のだ。近藤さん家のだとは言っても実質は土方さんのものだけれど。その助手席に姉上の姿もあって、俺は急いで後部座席に乗り込んだ。
煙草を吸い終えた土方さんも物言いたげに俺を見ながら、運転席に滑り込む。
「おかえりなさい。試験、どうだった?」
「姉上のお陰で国語はいい感じでさァ!」
「・・・英語はどうだったよ」
「あんたの教え方の所為で微妙でさ」
「ってめ!」
「・・・でも十四郎さん、発音以外は良かったはずよ?」
素で追い討ちをかける姉上に土方さんのライフはずたぼろだ。名誉挽回、汚名返上、雪辱を果たすこともなく土方さんは憂鬱そうに車を出した。
確かに、教え方は分かりやすいのだ。だけれど如何せん、発音が全てを台無しにする。熱意は伝わるのに可哀想だなぁと思うし、ギャップが可愛いとも思う。
「今日はお祝いに、グラタンを作ってみたの。ね、十四郎さん」
「俺は特製スープを作ってやったからな」
「・・・辛かったりマヨネーズが入ってたりしやせんか?」
「大丈夫よ。お互いに味見したもの」
それなら安心だと胸を撫で下ろしつつ、台所で二人仲良く料理をする姿を想像して微笑ましくなる。
早く赤ちゃんを授かればいいのに。二人の赤ちゃんなら絶対に可愛らしいだろうから強くそう思うけれど俺がいるかぎりそれは叶わない。
だからといって、家から出さないと土方さんに言われてしまったし。
「受かるかなぁ」
「受かるに決まってんだろ」
「そうちゃんなら大丈夫よ」
振り返って姉上がそう言ってくれたから、なんだか本当にそんな気がして、小さく頷いた。
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遅ればせながらセンターネタです。短くてすみません!
受験!
姉上に国語、土方に英語、近藤さんに日本史を教わったようです。明らかに人選ミスが一つありますww
(`●ω・´)れっつぱーりぃ
あと、900打ありがとうございます(*^^*)
思っていたよりペースが早くてびっくりしています。
成人式か、と息を吐いたら真っ白で、そりゃあ寒いよなと着ていたダウンの前を手で閉じた。
空だけ見れば夕方の色をしている。けれど俺にとっての夕方は晩飯の匂いがするような時間のことだからそれにはまだ早い。これから段々と、日が長くなっていく。寒い寒いと身を丸めていたのが、ポカポカした陽気に四肢を投げ出して寝転びたくなるのだ。でも、いまは寒い。
マフラーを鼻まで上げて、ずずっと鼻水を啜る。近藤さん家は近いけど、それでも歩くと五分かかる。家で暖まっていた体は即冷えて、炬燵の温もりが愛しくなった。
やっとの思いで近藤さん家へついた。今日姉上たちは成人式に出て、それから近藤さん家でパーティーをしているそうだ。それにお呼ばれした。
姉上の振り袖は近藤さんのお母さんが着たものらしい。土方さんから写メが送られてきたのだけれど、今時の柄では当然なくて着物らしい柄で、姉上にとてもよく似合っていると思った。
「お、総悟よく来たな!」
「こんにちわ、近藤さん」
にっこり笑って近藤さんは中へ入れ、とくしゃりと頭を撫でた。それが心地好くて俺も笑い返して、暖かい家の中に上がった。
土方さんはスーツだったけれど近藤さんは袴を着ている。初めて見たし多分、こういう正装用の袴を初めて着たのだろうと思うけれど、とてもよく似合っている。二十歳なんかに見えない貫禄があるようだ。
「そうちゃん!」
居間につくや否や姉上がぎゅうっと抱きついてきた。柄にもなく胸がキュンとなって。思わず抱き締め返す。この反応だとかなり酔っているんだろうな、と推測していると突然、姉上ごとむぎゅうと抱き締められた。
正面には愛しくて可愛い姉上。その横で、姉上に負けず劣らず真っ赤な顔をした土方が俺たちを抱き締めていた。
何をやっているんだこの人は!
自分まで顔が赤くなった気がする。
「あーもうおまえら可愛すぎ。俺すんげぇ幸せ」
「はぁ? 変なこと言ってないで離せ酔っ払い!」
「ほらほらトシ、ミツバさんも。総悟は腹ペコなんだから食わしてやんなきゃダメだろう?」
諌めながらも近藤さんが差し出したのは日本酒。いろいろ突っ込みたいが酔ってしまってるのだから仕方ないということにしておく。
漸く離れて、けれど両サイドから二人がテーブルの上の料理を差し出してくる。挙げ句の果て近藤さんは向かいから酒を注いでくれるし、なんだこの状況、と思わずにはいられない。
いつもよりとろーんとした可愛い姉上に、あまりいつもとは変わらずに朗らかな近藤さん、うん千倍優しくて却って気持ちが悪い土方さん。
今日の主役は俺じゃないのに。
と口に出そうになるけれど楽しげな姿を見ていると何にも言えない。
「そうちゃん、いっぱい食べてね」
「ほら総悟。椎茸好きだろ?」
「総悟は飲みっぷりいいなァ! よし、飲み比べんぞ!」
甘やかされてるなぁ、俺。
なんて分かりきったことを再認識してしまった。
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絶賛スランプです☆←
何故こうなった。
とにかくあれですね、総悟は皆に愛されているんです。そして総悟を滅茶苦茶愛でている姉上も同じくらい愛されているんです。
主役を総悟にしたから成人ほぼ関係なくなってしまったのかもしれませんね( ̄▽ ̄;)
というか大幅に遅れてしまいました(・・;)