カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
苑咲 早良
性別:
非公開
ブログ内検索
アクセス解析
カウンター
メールフォーム ▼
ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。
不定期更新なのでご了承ください。
パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。
本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)
がちゃ、とドアの開く音がした。だからいつものように、そうちゃんと二人で玄関へ向かう。すると、いつもとはちょっと違った表情を浮かべた十四郎さんがただいまと、呟いた。
何かあったのかしら、思いながらお帰りなさいとそうちゃんと声を合わせる。なんだかんだ言っていてもそうちゃんはこうして自主的にお出迎えに来るから、とてもいい子だと思う。
「あのさ」
「はい?」
先に部屋へ戻ろうとしたそうちゃんを引き留めるように、それでいて私にも向けるように、十四郎さんは口を開いた。
そして、手にしているビニール袋を軽く掲げながら躊躇う口調で言う。
「花火もらってきたからやらないか」
「は、」
まぁ、と私が言ったのとそうちゃんの声が被さって、十四郎さんは少し困ったような顔をした。かさかさ音をたてるビニール袋の中には、よくコンビニなどで売っている花火のセットが入っていた。
楽しそう、そう思って食後にやりましょと提案したら、煮えきらない様子でそうちゃんは頷いた。
*
「本当バカでさ」
「何がだよ」
水て一杯のバケツを持ったそうちゃんが十四郎さんに吐き捨てた。けれどそれは嫌悪だとかを現しているのではなくて、どちらかというと照れ隠しのようなものであると分かっているから、私は聞き耳を立てて、花火の包装を解く。十四郎さんが火をつけようとしている蝋燭の隣にバケツを置いて、昨日、俺らが風呂入ってるとき盗み聞きしたでしょう、とそうちゃんは詰る。
そう言えば、昨日はお風呂で今年は花火しなかったという話をした。偶々だろうけれど、気を煩わせてしまったかしら。
「・・・聞いてねぇよ。偶然もらったんだっての」
「ふーん。ま、いいや。姉上やりましょう!」
「そうね」
お風呂にも入り甚平に身を包んだそうちゃんが楽しそうに笑う。それにつられて十四郎さんも笑って、胸が温かいもので満ちる。
そうちゃんと二人、ビニール袋の中に今日の日付のレシートが入っていたのには知らないふりを決め込んで、まずは太目のものに火をつける。
火薬の燃える音に、青い光。拡散するそれは力強いけれど、儚く終わってしまう。花火は総じてそういうもの。
「綺麗でさ」
「本当に、綺麗ね」
「だな」
三人でやるとあっという間で、残るは線香花火だけになってしまった。短くなった蝋燭に先を近づけて、慎ましやかに咲いた火の花に見惚れる。
去年は近藤さん達と一緒に、校庭で小さな打ち上げ花火で楽しんだ。そうちゃんと二人だけでも、このように花火を買ってやった。あの時も楽しかったけれど。
今の方がそうちゃんの表情が柔らかいのは、十四郎さんもいるからなのだと思う。
「あーあ。終わっちまったな」
「そういう情緒ないことよく言えやすね。九月なのに花火なんか買っちゃって」
「だぁから貰ってきたんだっての!」
「まぁまぁ。また、来年もやりましょ?」
「来年は鼠花火見てみたいでさ!」
「私、見たことないわ」
「・・・いや、あれそんなに楽しくないけど」
窓を開けて部屋に入りながら来年の約束をする。
他愛もないことだけれど、きっととても幸せなこと。
-------------------
お久しぶりです!
受験生なめてました。八月中にあげるはずが(・・;)
ミツバさん目線は相変わらず大変です。難しい。近藤さんも。きっと書き慣れてないからかなと思っています。
とにかく私が書くと土方に対する想いと沖田に対する想いが同じになるからよくない。土方とミツバさんがくっつきませんよww
新婚さんなのに!!
柚子胡椒さん、拍手ありがとうございます!
のろのろとですが書き続けていきたいと思います(*^^*)
PR
この記事にコメントする