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苑咲 早良
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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。 不定期更新なのでご了承ください。 パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。 本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)


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味付けはこれでいいかな、うまくいくかな、とさっきから必死になっている総ちゃんは、きっと誰が見ても恋をしている女の子のよう。
同じことを隣にいる山崎さんも思っているのか、山崎さんも穏やかな笑みを浮かべて総ちゃんを見ている。

山崎が遊びに来ても平気ですか?
と総ちゃんが言ったのは朝食の片付けをしていた時だった。十四郎さんはもう仕事に出た後で、二人で洗い物をしていたら遠慮がちに訊ねてきた。私が、勿論! と頷くと、総ちゃんはホッと笑みを浮かべて、友チョコ作るんです、と素敵なことを教えてくれた。
言い出したのは山崎さんで、自分は作る気がなかったのに巻き込まれ、不承不承、いつもお世話になっているからできたら家で作ることにしたそうで。
私も一緒に作っていい? と聞くととても嬉しそうに総ちゃんは首肯した。

「・・・姉上、これでいいと思いますか?」

ペロリと指で生地を掬い、それを舐めながら総ちゃんは問う。首を傾げて真剣に悩んでいる様子を十四郎さんに見せてあげたい。だってこれは、十四郎さん用のチョコレートケーキの生地だから。
私や総ちゃん、そして山崎さんは甘めのものの方が好きだからと纏めてクッキーにして、甘いものが苦手なあの人には甘さ控えめのケーキにして。
総ちゃんに自覚はないけれど、十四郎さんのことを確りと大事に思っている。だから、もっと素直になればいいのに・・・。

「とってもおいしい! 大丈夫よ、十四郎さんはきっと喜ぶわ」

「別に、喜んで欲しいわけじゃ・・・」

「もー。沖田さん素直になっちゃえばいいのに」

「うっさい山崎!」

「いたっ! 叩かなくてもいいじゃないですか・・・」

わいわいやってる二人を見ていると、山崎さんが羨ましくなった。私がもしも男の子だったら、総ちゃんは敬語なんか使わないで、じゃれあったりできたのかもしれない。だからそういう意味では、女である自分が少し恨めしい。大事にされているのは分かっているけれど。

ケーキも焼き上がり、飾り付けもあとはブルーベリーを散らすだけ。総ちゃんは一つ一つ、どこに置こうか悩みながら飾り付けていく。
私のショコラも山崎さんのチョコレートムースも出来上がっているから総ちゃんが悶々としているのを心の中で応援しながらただ見つめている。

「できたー!」

「おめでと!」

「あーうまそ・・・」

完成品を取り囲んでいると、タイミングよく玄関の方から音がした。続いてただいまと、耳に届いた声に総ちゃんの肩が跳ねる。
どうしよう、と困ったような視線を向けられて、頑張って、と背中を押した。

「・・・でも」

「ついでに作ったってことにすればいいでしょ?」

「そうですよ! 沖田さん、ファイト!」

渋々と頷いて、総ちゃんはお皿を手に台所を出た。顔を見合わせて微笑みながら、渡す様子を山崎さんと盗み見る。

「・・・土方さん」

「ん? ただいま総悟」

靴を脱いでいる十四郎さんは未だケーキに気付いていない。
おかえりなせェ、とおざなりに返しながら言葉を探しているようだ。正面から見たかったわ、本音は山崎さんに同意された。

「これ、やりまさァ」

「へ? ・・・ってケーキか? どうしたのおまえ、コレ」

お皿と総ちゃんを交互にマジマジと眺め、十四郎さんはポカンと珍しく気の抜けた顔をしている。総ちゃんは何も言わないままだし、そんな二人が初々しくて可愛くて堪らない。

「ついでに作ったんでさ。意味も毒もねぇから、黙って食いなせェ」

「・・・マジでか」

呟いて、十四郎さんは嬉しそうに口を緩めた。
総ちゃんも十四郎さんも普段は素直ではないから、いつも私はやきもきしているのだけれど、今日は二人とも少しだけ素直になっていて。
見ているだけで胸が満たされた。





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お久しぶりです。
本当に更新遅くて申し訳ないです(((・・;)

遅くなりましたが、1100打ありがとうございます!

あと、拍手をおしてくださった方もありがとうございます(*^^*)

今回は珍しく、ミツバさん目線で土+沖を。くっつきそうでくっついていないこの微妙な距離に三人でやきもきしているといいなと思います。
山崎も何気にやきもきしてたり。

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