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苑咲 早良
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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。 不定期更新なのでご了承ください。 パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。 本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)


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ハッと意識が浮上して、衝動とともに上体を起こした。
あたりは暗く、夜目が利かない俺には周りの様子がさっぱりだが、耳に届く、二つの寝息。
バクバク言う心臓を深呼吸してどうにか鎮め、慣れてきた目で振り返って、傍らで眠る二人を見る。二人とも此方を向いていて、体勢まで同じだったからクスリと笑ってしまう。
俺が飛び起きた所為で捲れた布団を戻しつつ、階下へ煙草を吸いに温い寝床から起き上がった。廊下もどこも暗いから壁に手をつけなきゃ階段から落ちる。そんなヘマいままでもこれからもする気がないからそぉっと降りて、キッチンの電気をつけ一服する。

とても嫌な夢を見た。

彼女が病に倒れる夢だ。
しかもそれが、昔の時代だったから妙だった。俺は黒いかっちりした服を着て、ミツバに近づくことさえできずただ、見守って。アイツの幸せを思い、手離したらしい。そんなだから総悟は俺に牙を向けていて。

「知ったこっちゃねぇ、か・・・」

夢の中でそう、総悟に言った。必死に頼む総悟をお座なりにしてその上捩じ伏せて、何でもないふりで。
そのときの気持ちは何故かはっきり覚えていて。
大事だから突き放す、その意味が分からない総悟への苛立ち。
二人を守りたいと、胸を満たす愛情。
自分の不甲斐なさに対する葛藤。
全てがあの二人を思って、それでいて異なる感情で。
自分に関係ないといい聞かせて冷静さを取り戻したかった、のだ。
失いたくない、失いたくなかったから。

「・・・土方さん?」

「っ!? そう、ご・・・?」

瞼を瞑り夢を辿っていると突然呼び掛けられて肩が跳ねた。あ、灰が落ちた。
灰よりも起こしてしまったか、と声のしたほうを見ると廊下からひょいと総悟が覗いていて、続いてひょいっとミツバも顔を出した。
・・・本当可愛いな、この二人。

「十四郎さん、魘されてたから・・・」

「・・・もしかしてさっき寝たふりしてたのか?」

コクコクと二人して首を縦に振り、眠たそうな目で此方を見る。
傍にいる。
何より、生きている。
冷たくなっていく彼女を看取ることはできなかったけれど、いま、一緒に生きていけている。傍で、支えあって。

「悪ィな、起こしちまって。・・・大丈夫だから」

「・・・ならいいでさ。起こしやがって土方コノヤロー」

「もう、そうちゃんったら。さ、寝ましょう?」

「明日から学校だしな・・・」

あんな夢、もう見たいとは思わない。
けれど今がどれだけ幸せなのか認識できたから。

煙草の火を消してキッチンを出る。
欠伸まじりに並んで歩く二人を、心から愛しく思う。

「なぁ、今夜は俺が真ん中で寝ていいか?」





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ミツバ編MADを見てしまったので(;_;)
少し暗くなってしまいましたが、闇があるからこそ光は明るいんですという言い訳。
ミツバさん大好きですー!

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