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苑咲 早良
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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。 不定期更新なのでご了承ください。 パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。 本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)


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台所からザッザッ、と何かを切る音がする。小松菜だろうか。今日は小松菜と油揚げの煮浸しだと言っていたから。初めて知ったのだが総悟はこれが好物らしく、一品出しておけば一合は食べられるそうだ。ミツバも一合までは食べられないが、他におかずはいらないというぐらい好きらしく、そこまで好きな食べ物のない俺は感嘆の息を吐いた。
嫌いなものと好きなものの差がほとんどない。甘いものは嫌いだが食べようと思えば食べられる。他に嫌いなものも思い浮かばないし、大好きなジブリだってなくたって困りやしない。
ただ、マヨネーズと煙草、そしてこの姉弟だけは他のものとは比べようがない。生きていく上で必要なものたちだ。
総悟が米研ぎ、洗い物の当番で俺が風呂掃除の当番だった。先に仕事を終えた総悟はソファーによりかかり漫画を読んでいる。

「土方さん」

「あー?」

たまに、苗字で呼ぶのはどうだろうと思うことがある。でも、総悟に十四郎だとかお兄ちゃんだとか兄上だとか呼ばれるのを想像しただけで色々と終わって、このままがいいと切実に思った。
いっそのこと総悟も土方姓になればいいのに。ポツリと頭に浮かんだ考えに周章てて頭を振り、ソファーにどかりと座り湯飲みに手を伸ばした。

「姉上と何回キスしたことありやすかィ」

「ぶっ」

「きったねぇなァ・・・」

台所からは水音が止まず届く。盛大に噎せて、俺は真摯な目を向ける総悟に向き直る。
事実を言うのは少し照れ臭い。その前に、別に言う義務はないのだ。だって、こいつはただの義弟。大切な人間とは言えど、守秘義務ぐらい使える相手。
なのに口は素直に、ぶっきらぼうに言葉を紡ぐ。

「・・・一回」

「ハァ!?」

ばっと総悟が身を乗り出す。姉よりも若干健康そうな色の頬が、興奮に色付いた。言えば驚くと分かっていた。だから言いたくなかったのに、本当。

「たったの一回?」

「そ。」

「行ってきますのちゅーとか行ってらっしゃいのちゅーとか、ねぇんで?」

「おまえ夢見すぎ。第一、一緒に家出るからそんなの関係ねぇんだよ」

「なら二回ちゅーすりゃいいじゃねぇですか。新婚なんですぜ? 毎日ちゅーしろよ」

真面目な顔で筋の通っているようでそんなこと全然ないことを言う総悟にひとつの疑問が生まれた。
まぁ、そんなことないだろうけれど。

「・・・キスキス言ってるけどさ、おまえがしたいんじゃねぇの?」

「なっ・・・! ふざけんなっ、んなわけねぇだろィ!」

ふんと顔を背け姉の元に言った総悟をぽかんと見つめ、とにかくキスすべきか悩んだ。





ーーーーーーーーーーーーーーー


間があいてすみません(((・・;)
ネタはいっぱいあります。書く時間がない←


とにかく純愛すぎてキスしない二人と色々とやきもきする弟の図でした。

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