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ミツバさんへの愛が飽和状態になったので作ったブログです。 不定期更新なのでご了承ください。 パラレルで基本土ミツ、沖ミツ(正しくは総ミツ)ときどき土沖の予定です。 本館と呼ぶのがふさわしいのかわからないブログ→mahorobanoyuugi.blog.shinobi.jp(リンクを張れていないので↓のリンクからいったほうが楽です。)


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一言ばーか、と言うといつもの憎まれ口を叩くでもなく、物言いたげな目で此方をじろりと見ただけだった。そりゃあ三十九度の熱じゃ得意の毒も吐けないだろうよ。
 電話が鳴ったのはちょうど、今日最後の講義が終わった時だった。大変なの、と珍しく慌てた様子のミツバが、そーちゃんがインフルエンザにかかったらしくて、と言った時に舌打ちしてしまったのは多分、彼女まで届かなかった。この姉弟は体が弱い。だからインフルエンザには気をつけろとあれほど口を酸っぱくさせたというのに、この馬鹿は誰かから病原菌を貰ってきた。まだ講義のあるミツバには俺が面倒見るから、講義が終わったら買い物など頼むと告げた。

「ひじ、かたさん」

「ん? なんだ」

「喉乾いた」

「はいよ」

 マスク越しに力なく言われた言葉に頷いて、赤い顔をして苦しげな息を吐く総悟の上体を胸に包み、手の届く範囲に置いておいたスポーツドリンクを飲ませる。
 起伏の殆んどない喉がこくりこくりと上下し、甘いそれを燕下していく。嘗てない程密着していて、折角だからとまじまじ見るが看病してやっているわけだからそこらは多目に見て頂きたい。
 にしても細い。ちゃんと食っているのは重々承知しているけれど、細い。こんなんだからインフルエンザにかかるんだと、そっと体を横たえさせてやりながら思った。

「俺にはうつしていいから、」

「姉上にはうつしやせんよ・・・コホッ」

 姉と同じ茜色の瞳がいつもより弱々しく俺をうつした。そのか弱さに調子が狂ってしまう。今日、というよりも総悟が治るまでコイツがどんなに嫌がろうと傍にいて看病するつもりだから、移ったとしてもそれは承知の上だ。ミツバにさえ移らなければいい、それは総悟も思っているようで。

「アンタに、うつしてやるから」

「上等だ」

 移せるものなら移してみろ、というか早く移して治してくれ、頼むから。本音は言わないままに大事な弟の頭をそっと撫で、冷えぴたを取りに立ち上がる。
 すると。

「どこ行くんでィ」

「冷え取りに行くだけだ。待ってろ」

 そう言ったのに関わらず袖を掴んだ手は相変わらず力強く。ったく、と総悟の方を見て、息を飲んだ。

「・・・行くんじゃねぇでさ」

「行かないで、だろ?」

「・・・調子乗んな。行かねぇで、土方さん」

「っ、どこにも行かねぇよ」

これは当分、離れられそうにない。





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またまた間が空いてしまいました( ┰_┰)

私がインフルかかっているので総悟にうつしてみました←
今回は土方が両手に花ですね。

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 最近流行りのバラエティー番組のついたテレビを背に、仲睦まじい沖田姉弟は今夜もその仲良しっぷりを発揮している。
 疎外感を感じてしまう、けれどそれを表に出したら負けだと一人思っている土方は、総悟の作ったらしい味噌汁を啜った。

「はい、そーちゃんあーん」

「ん。おいしいです。姉上も、あーん」

「そうちゃんが食べさせてくれたからもっとおいしく感じるわっ」

 あーはいはい新婚さんですか。
 ちくしょー俺が新婚なのにと疎外感に押し潰されかけていると、ミツバがニコニコ笑みながら此方を向いた。
 声に出していたかと危ぶむが総悟は何にも言ってこないしそれはないだろう。よかった。

「十四郎さんも、あーん」

「いや、俺は、」

 疎外感を感じはしたけれどあーんをしてほしかったわけではなくて。頭をぶんぶん横に振るとチッと舌打ちが聞こえた。
 本当に、見た目はそっくりなのにこの姉弟は。

「姉上があーんって言ってんだからあんたはツベコベ言わず食えばいいんでさ」

「なんでおまえ切れ気味なの・・・」

 総悟の前で、というのがこっぱずかしいが、このまま口論するのもどうかと思うし何より、されたくないわけではないから口を開ける。勿論、渋々といった体で。
 美味しい? と訊いてきたミツバの表情がこれまた癒されるもので、お世辞なんかではなく心の底からああと頷いた。
 すると。

「次はそうちゃんが十四郎さんに、ね?」

「へ?」

 ぽろ、と総悟の箸から金時豆が落ちる。
 予想外な話の流れに拒否するでなく呆然とした総悟の心中を察するが、多分、俺も似たようなもの。嫌いなやつに自分の箸で物を食わせるなんて嫌だろうし、たっぷりと呪いの念が込められたであろう人参を食べるのは此方も嫌だ。
 ぶんぶんと総悟は首を振って意思を示すが、もう、とミツバが頬を膨らませば総悟は抵抗なんて出来なくなる。嫌々箸を此方に突き付け、そっぽを向く総悟。横を向いた顔がどこか恥ずかしげに見えるのは目の錯覚でしかないのだろう。

「・・・早く食いなせェ」

「・・・おう」

煮浸しの味しかしないはずの人参は、箸についていたのか金時豆の味がして仄かに甘かった。





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山とか落ちとか意味とか求めてはいけません。
試験中です、ただいま。癒しがほしかとです←

更新遅くて申し訳ないです。

このあと、総悟に「あーあ土方さんと間接ちゅーしちまった」とか言われて盛大に味噌汁を吐けばいいよ土方。

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久々に訪れた母校は、思い出の中光る情景と全く変わりなかった。けれど目の前のそこに私たちはもういないわけで、それが少し切なかった。
三者面談があるとプリントを渡されたのはつい先週のこと。本来ならもっと早く渡すもんですけどね、あの先生ズボラだから。とそうちゃんが笑って言っていて、そうねと私も頷いた。
そうちゃんの担任と私たちの担任だった人は同じ人。掴み所がなく、一見不真面目そうなのだけど、しっかりした芯のある、強い人。
いい先生なのだと、私は思う。そうちゃんも思っているようだけど、十四郎さんは馬が合わないようだった。きっと似ているからね、と近藤さんと一緒に笑ったのもいまでは思い出になってしまっている。
決められた時間の少し前にドアを開くと、向かい合わせにされた四組の机のうち一つにかけて、ジャンプを読んでいた。

「あ、もう来た」

「社会人は五分前行動するもんですぜ」

「こんにちは」

「あ、そっか。久しぶりだなー。真面目に大串君と結婚したの?」

「はい」

「・・・あんなののどこがいーんだかなぁ」

ぼやきながらも先生は読んでいたジャンプを脇に置く。よいしょ、と腰を下ろしたそうちゃんの隣に腰かけて、変わらない教室を眺める。皆でお弁当を食べたことだとか、文化祭の準備をしたことだとか、いろいろ思い出す。
それなりに真面目にやるらしく、先生はファイルを出してパラパラとめくる。

「あれだよな、進学組だろ、おまえ」

「へい。俺は働きてぇけど、姉上が」

「まぁおまえはやりゃあ頑張れるし平気だろ。はいじゃあ終了!」

「・・・五分も経ってやせんよ」

「あとはくっちゃべって時間潰しゃいいだろ。土方ミツバねぇ。俺は坂田のがいいと思うけどな」

「もう、先生ったら」

三、四年ぶりだというのに先生は全く変わらない。学生だった頃に戻ったような、不思議な気持ちになる。

「結局おいしいのはあいつだけか」

ぼやきと共に鋭い視線を寄越されるけれど、それはすぐにそうちゃんを映した。愛しそうに目を細めて、先生はそうちゃんの手を包んだ。
ん? と首を傾げるそうちゃんは何にも分かっていないようで、無垢に先生を見つめている。くいっ、とそうちゃんの体を抱き寄せて、私は先生に向かって唇を尖らせる。
これは多分、悪戯好きの先生の戯れなのだろうけれど、それでもそうちゃんを渡したくないと思う。
そうちゃんは私だけのもの。

「先生にそうちゃんは渡しませんよ?」

「・・・両手に花なのは変わらないか」

苦笑まじりの言葉にええ、と返す。
私はいま、とっても幸せ。





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ミツバさん視点は難しいです。多少腹黒いくらいが好きだけどあの人はどうなんだろう。清らかに、少し黒い感じがちょうどいいです。

昨日終わらせるつもりだったのに(>_<)

銀八先生は沖田のこと何気に本気だったらBL的に美味しいですが(^q^)

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台所からザッザッ、と何かを切る音がする。小松菜だろうか。今日は小松菜と油揚げの煮浸しだと言っていたから。初めて知ったのだが総悟はこれが好物らしく、一品出しておけば一合は食べられるそうだ。ミツバも一合までは食べられないが、他におかずはいらないというぐらい好きらしく、そこまで好きな食べ物のない俺は感嘆の息を吐いた。
嫌いなものと好きなものの差がほとんどない。甘いものは嫌いだが食べようと思えば食べられる。他に嫌いなものも思い浮かばないし、大好きなジブリだってなくたって困りやしない。
ただ、マヨネーズと煙草、そしてこの姉弟だけは他のものとは比べようがない。生きていく上で必要なものたちだ。
総悟が米研ぎ、洗い物の当番で俺が風呂掃除の当番だった。先に仕事を終えた総悟はソファーによりかかり漫画を読んでいる。

「土方さん」

「あー?」

たまに、苗字で呼ぶのはどうだろうと思うことがある。でも、総悟に十四郎だとかお兄ちゃんだとか兄上だとか呼ばれるのを想像しただけで色々と終わって、このままがいいと切実に思った。
いっそのこと総悟も土方姓になればいいのに。ポツリと頭に浮かんだ考えに周章てて頭を振り、ソファーにどかりと座り湯飲みに手を伸ばした。

「姉上と何回キスしたことありやすかィ」

「ぶっ」

「きったねぇなァ・・・」

台所からは水音が止まず届く。盛大に噎せて、俺は真摯な目を向ける総悟に向き直る。
事実を言うのは少し照れ臭い。その前に、別に言う義務はないのだ。だって、こいつはただの義弟。大切な人間とは言えど、守秘義務ぐらい使える相手。
なのに口は素直に、ぶっきらぼうに言葉を紡ぐ。

「・・・一回」

「ハァ!?」

ばっと総悟が身を乗り出す。姉よりも若干健康そうな色の頬が、興奮に色付いた。言えば驚くと分かっていた。だから言いたくなかったのに、本当。

「たったの一回?」

「そ。」

「行ってきますのちゅーとか行ってらっしゃいのちゅーとか、ねぇんで?」

「おまえ夢見すぎ。第一、一緒に家出るからそんなの関係ねぇんだよ」

「なら二回ちゅーすりゃいいじゃねぇですか。新婚なんですぜ? 毎日ちゅーしろよ」

真面目な顔で筋の通っているようでそんなこと全然ないことを言う総悟にひとつの疑問が生まれた。
まぁ、そんなことないだろうけれど。

「・・・キスキス言ってるけどさ、おまえがしたいんじゃねぇの?」

「なっ・・・! ふざけんなっ、んなわけねぇだろィ!」

ふんと顔を背け姉の元に言った総悟をぽかんと見つめ、とにかくキスすべきか悩んだ。





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間があいてすみません(((・・;)
ネタはいっぱいあります。書く時間がない←


とにかく純愛すぎてキスしない二人と色々とやきもきする弟の図でした。

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メッセンジャーバックを肩にかけた総悟が、靴に足を食ませながら振り返った。半端に開いた玄関の扉の向こうには夕闇が広がっている。

「じゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい。気を付けてね」

わざわざ見送らなくていいのに。しかも二人で玄関まで来なくても。そう思いながら、総悟は扉を完全に開けて、外へと歩き出した。

今日は総悟が級友の山崎の家に泊まりに行った。泊まりに行くなんて珍しい、そう思ったらミツバも同じだったようで、目をぱちくりとさせていた。どうやら山崎は総悟が欲しがっていたゲームの新作を買ったらしく、それをやるために泊まりに行ったらしい。
言えば買うのに・・・。隣で呟いたミツバの思いを知っているからこそ総悟は言わなかったにちがいない。うちは貧乏ではないが裕福でもない。服などを諦めれば買えないことはないけれど、そうしてまで自分の欲しいものを買おうとは総悟は思わない。どうせ買うなら、姉の為のものを買うのが総悟なのだ。

「もう、そんな心配そうにしなくても平気よ、そうちゃんは」

「別に、心配なんかしてねぇよ」

「嘘ばっかり。顔に出てるわ」

クスクスと笑うミツバだって、同じようなものだろうに。
言い返して居間に戻ると十四郎さんほどではないもの、とミツバが微笑み隣に座った。こうして二人っきりの時間をゆっくり過ごすのは久々だ。これはこれでいいものだけど、直に総悟が心配になるのは目に見えている。
過保護すぎでさ、二人とも! と総悟に怒られるのも無理はない。

「明日はお勤めでしょう?」

「ああ。丸一日いねぇな」

「・・・私も何かお勤め、しようかしら」

「絶対駄目だ」

即答するとミツバは少し膨れてフイと顔を反らした。怒ったふりをするときに、この姉弟は同じ仕草をする。愛らしくて微笑んでしまうけれど、それは仕方ないこと。

「そうやって十四郎さんは私も甘やかすんだから」

「甘やかしてはねぇよ。ただ、帰ったときに出迎えてもらいたいから我が儘言ってるだけ」

「・・・もう」

照れたように笑うミツバの手をそっと握り締め、二人して笑いあった。





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プラトニックが好きです。
ほんわかした感じっていいですよね。
土方はミツバさん以外とは付き合ったことない設定ですが、キスとかうまいんだろうな←

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